東京交通架空局[序章]

ここは少し技術が発展し、交通システムの改革や国の在り方が大幅に変更され、住みやすい環境に変わった都市『東京』。
高層ビルに囲まれた街並みはいつ見ても圧巻される。
そんな中でも電車から見える景色、これだけはいつ見ても心を癒される。

そんな僕は、現在東京駅で京浜東北線に乗ったところだ。
行く先は横浜。
昔から変わらず今も存在する横浜中華街に向かう所だ。
僕の好きな場所はドア付近に立って、外の景色を見れる場所。
東京駅から横浜駅まで行くなら、二駅で着く東京架空線を乗ればいいじゃないか、そういう人もいるだろう。
しかし僕は東京架空線だけは乗りたくない。何故なら…。

『本日未明、東京架空線南浦和行きの電車で爆発事故が発生しました。原因は、列車内3両目の乗客による器物破損行為が見られたためとのことです。詳しい情報が入り次第、お伝えいたします。』

『器物破損だけで他の乗客ごと爆発させるとはなんたる外道!今すぐ廃線すべきだ。そうでなければ人口減少により国は破滅の一途をたどるぞ!』

『ですが、これも国策の一つなのですよ。こうすることで人々はより教養を身に着け、人間らしい生活を送ることが出来るんです。』

『それは強迫による恐怖の植え付けだ!』

『たった一人の秩序のない行動が世界を壊していくというのなら、どうすべきなのか。それは、人々に分からせるという事です。』

東京架空線が出来た当初は、テレビからは毎日討論の嵐だった。
でもそれも今では報道されることもなく、平和を保っている。
どうやら秩序のない人々が減ってきたらしい。
という事は、秩序ある人しかいない街、それが真の東京の姿である。
それでも僕は東京架空線だけは乗りたくない。
もし誰か一人でも周りで秩序を保てない輩が乗っていたらと思うとゾッとする。
巻き添えだけは食らいたくない。